「家族が精神病棟に入った日から、私の不安は止まらない」➓

 

後日

面会に行くと、薬を変更してもらった後だったらしく、前回よりは少しだけ落ち着いて見えた。

 

それでも、まだ足元はふらついていて、一日中寝ているような状態だったという。

会話をしても呂律はあまり回っていない。

 

入れ歯を入れていないバァさんみたいな話し方で、その姿を見るのは正直ちょっとショックだった。

まだ薬が合っていないのか、母には強すぎるのか。母はとても体重が減少してしまっていて本当に薬の量が適正量なのかなっと心配だった。

 

前回よりはマシ。
でも、「良くなった」と言える感じではなかった。

今の母に何を話しても、きっとちゃんと理解するのは難しいんだろうな、となんとなく察した。

 

だからその日は、面会を早めに切り上げて帰ることにした。

 

薬のことが気になり、私は看護師さんに確認してみることにした。

 

一日中寝ているなんて、どう考えても普通ではない気がした。

 

やっぱり薬が強すぎるんじゃないか。
母には合っていないんじゃないか。

そんな不安を、そのまま看護師さんに伝えた。

 

ただ、詳しいことは医師でないと説明できないとのことで、先生にも聞いてみることにした。

薬の量が多すぎるのではないか。
副作用が強く出ているように見えること。

思っていたことを相談すると、薬の量を少し減らしてもらえることになった。

 

それを聞いて少し安心した反面、本当にこれで良くなるのだろうかという不安は、まだ消えなかった。

 

それからまた一週間後、母の面会に行った。

病室に入ると、前より顔つきが少し良く見えた。

 

足元も、以前のような危なっかしさが少なくなっていて、なんとなくしっかりしている感じがした。

あの時、薬のことを相談してよかった。

やっと少し安心できた気がした。

薬の量が安定してきたのかな、とも思ったし、母自身も少し落ち着いているように見えた。

前みたいに、ずっと寝ている感じでもない。

 

ちゃんと会話ができるだけで、こんなにも安心するんだなと思った。

でも、そのかわりなのか。

今度は母がお金の心配ばかり口にするようになった。

「お金大丈夫かな」
「入院費って高いんでしょ」
「もううちはお母さん働かないと破綻する」

そんな言葉を、何度も繰り返していた。